断熱工法
断熱とは・・・
住宅における“断熱”には、次の2つの働きがあります。
①守る・・・屋外の暑さ、寒さを寄せ付けない(建物の熱損失を防ぐ)
②保つ・・・家の中の温度を保つ事(少ないエネルギーで熱環境を守る)
この断熱性(効果)を持つ家にするためには、家自体を断熱材で包んであげれいいのですが、
断熱材の種類や包み方(工法)によって、断熱性に大きな違いが出てくるそうです。
ちなみに、断熱が部屋の空気の温度を“保つ”ことに対して外へ“逃がさない”のが
「気密性」といいます。間違いやすいけど、意味が違いますので注意してくださいね。
断熱材について
住宅において、断熱をしない場合はしている場合に比べ、「冬は暖かい室内の空気が
冷たい屋外の方へ」、「夏は冷たい室内の空気が暑い屋外方へ」約8割の熱が逃げていると
いわれているそうです。この空気(熱)の移動を止めるのが断熱材です。
断熱材の多くは、その素材の中にある小さな無数の空気でできている小部屋によって、
熱が逃げていくのを食い止める仕組みです。
断熱材には、自然系断熱材、プラスチック系断熱材、鉱物系断熱材の3つに分類することが出来ます。
●自然系断熱材
メリット・・・吸放湿性が高く結露しにくい
天然素材、リサイクル素材を使用してつくられるため環境に優しい
デメリット・・・価格が高い
セルロースファイバー(新聞古紙が主原料)、軽量軟質木質繊維ボード、炭化発泡コルク、
セルロースウール、ココヤシ繊維、綿状木質繊維、コットン、ウールなど
●プラスチック系断熱材(石油化学製品)
メリット・・・結露しにくい
デメリット・・・製造家庭における環境負荷が大きい
価格が高い
火災時に有害ガスを発生させる可能性がある
硬質ウレタンフォーム、押出し法ポリスチレンフォーム 、ビーズ法ポリスチレン 、
高発泡ポリエチレン、発泡炭化カルシウム、フェノールフォーム など
●鉱物系断熱材(ガラスなどのリサイクル製品が多い)
メリット・・・価格が安い
施行がしやす
デメリット・・・結露しやすい(防湿シートの使用で対策出来る)
繊維が細かく空気中に飛散し、それを吸う事で発ガン性の懸念がある
グラスウール 、ロックウール
断熱工法について
断熱工法には、大きく分けて2種類あります。
①内断熱工法(充填断熱)・・・壁の中に断熱材を入れる(柱と柱の間)
施行方法・・・気密、防湿シートを貼り軸組(枠組)内に隙間なく断熱材を充填する
使われる断熱材・・・鉱物系断熱材、自然系断熱材
メリット・・・①鉱物系断熱材を使用する場合はコストが低い
②建物の形に融通が利く(施工性)
③施行できる工務店(業者)が多い
④自然系断熱材を使用できる
⑤外装材を比較的自由に選択できる
デメリット・・・①断熱材が柱などの構造体で切れるので、構造体を通して熱が出入りする
②構造体が外部の熱などの影響を受ける可能性がある
③断熱する壁面は、空気の流通がほとんどないため、断熱材が一度湿気を
含んだ場合、結露して構造体を痛め、カビも発生する可能性がある
④室内側防湿層を設けないと、断熱が欠損したり、気密層の精度が悪い
場合に、結露することがある
⑤それぞれの部屋で部屋の暖房を使用しなければならない
⑥ポリエチレンシートなどで気密化するので、木の特有である芳香成分
が発散されない
⑦気密工事がしにくい(施工性が悪い)
⑧リフォームなどの時、配線や配管の場所を変えにくい
②外断熱工法(外張り断熱)・・外壁裏の柱の外側から家をまるごと断熱材で囲うことで
基本構造部分の周りの空気環境を室内と同じにしたもの
施行方法・・・板状にされた断熱材を外壁の内側に張り付ける
使われる断熱材・・・高密度発泡押出ポリスチレン、押出法ポリスチレンフォームなど
メリット・・・①冬暖かく、夏涼しいのですごしやすく、光熱費を節約できる(省エネ)
②結露、カビ、ダニが発生しないので健康にいい
③構造体が外部からの熱などの影響を受けないため、耐久性が良くなる
④柱、間柱など木材の間を空気が流通するため、結露しにくく、
構造体の耐久性がよくなる
④床下や小屋裏など家全体が室内側の空間と同じ条件で利用ができる。
⑤気密をとりやすく施工しやすい
⑥ヒートショック現象の軽減
デメリット・・・①コストが高い(断熱材の価格の高い)
②工務店によっては、対応出来ない場合がある(熟練が必要)
③外壁の重量が重い場合、思うような外壁を使えないことがある
④石油化学製品の断熱材を使用するためエコ評価が低いものが多い
⑤比較的燃焼しやすく、燃焼した場合、有害ガスを発生させる物がある
⑥複雑な屋根や複雑な家の形には不向き
⑦使用する断熱材は比較的やわらかく外壁材・屋根材をしっかりと支える
ことが困難なため、雨漏りの原因になりやすい
一戸建て住宅では「外張り断熱工法」が正式名称です。「外断熱工法」はマンションなどの
鉄筋コンクリート造の断熱工法のことをいいます。しかし、ほとんどの場合、一戸建て住宅
でも総称として「外断熱工法」と呼ばれているようです。
まとめ
断熱は、基本的に“寒さ”の対策が目的で施されていたものだそうです。
寒さを防ぐことができれば、暑さも防ぐ事ができるのことが期待ということですね。
地域を問わず日本で多いのが“内断熱工法”だそうです。
世界的に見てもこの方法が多いようです。
特にグラスウールの使用が多いそうです。値段は格安ですが、結露が起こりやすいという
難点があります。きちんとグラスウール断熱とポリフィルム気密での手法で対処されていれば
外断熱工法に劣らないくらいの成果があるそうですが、これは施工的な技術知識がないと
失敗する可能性があるそうです。また、高断熱・高気密をうたった外断熱工法には、
多くの会社が独自の通気層などを考慮した“工法”を開発しています。
それぞれ、特徴はちがいますが、断熱・気密性がより高くなったぶん建物内で発生する
余分な熱や水蒸気が溜まり害を及ぼす危険性もあるそうです。それぞれ良いところをうたっているので
デメリットは目に付きにくいかもしれませんが、いろいろな施工方法を比べて、
よく確認してから採用するようにしましょう。
どちらの断熱工法も、家の向き(東西南北の壁)の環境に合った断熱材・工法を採用する
知識と正確な技術が必要になるようです。